IN FLAMES “I, the Mask”(2019)




スウェーデン出身メロディックデスメタル四天王IN FLAMS、前作「Battles」から約2年半ぶり13枚目のスタジオアルバム。
メロディメーカーのイェスパーが抜けてから音楽性がメロディックデスメタルからオルタナティブメタルに変わっていき前作はキャッチーながらアグレッシブさも失わず大衆にアピールできるアリーナサウンドを響かせた一枚だった。アンダースのクリーンボーカルもアルバムを重ねるごとに進化し歌メロな曲が目立つようになってきた。初期の頃からのファンにとっては受け入れがたいサウンドかもしれないが今までのアルバムを聴いていくと順当に進化したサウンドだと感じる。

今作も前作の延長戦上のオルタナティブ方面に向かうと思ったがIN FLAMESは予想を遥かに超えてキャリア集大成のアルバムを作り上げた。先行公開された#②「I,The Musk」でスピーディーかつヘヴィなサウンドで名盤「Come Clarity」を彷彿させるような楽曲に今回は期待できると思った人も少なくないはず。だけどそこはやっぱりIN FLAMES。期待通りにはいかない。アルバム全体を通すと速い曲はこの一曲のみ。ミドルテンポな楽曲が大半を占めている。しかし一つ一つの曲に初期のインフレイムスを感じさせるギターリフ、メロディが散りばめられている。今の楽曲は昔の楽曲とは180度違うのにインフレイムスだと認識できる。メロディックデスメタル期、アメリカを意識したモダンサウンド期、そして今のオルタナティブ期全てのいいとこ取りをしたのが今回のアルバムだと感じる。アンダースのスクリーム、クリーンボイスが著しく成長して今ではバンドの1つの武器になっている。このボーカルの進化が楽曲の幅を広げて#⑦「We will remember」#⑪「All My Pain」のような哀愁漂うパワーバラードにも現れている。ここ数作の中では最高にスクリームパートが多くヘヴィなギターサウンドそして手数の多いドラミングが目立ちメタル以外の何者でもないが聴き疲れしないメロディアスさ飽きさせない曲構成は流石の一言。#③「Call My Name」、#⑨「Burn」のような近年見られるシンガロングを意識させた合唱アリーナソングもクオリティが高くライブでの受けは間違いない。
どの楽曲も一つの枠にとらわれないインフレイムスらしいキャリア集大成と言えるサウンドに脱帽。またメタルの一つの完成形を見せつけられた。次作で今度はどんな新しいサウンドを聴かせてくれるのか今後のインフレイムスにも期待せざる得ない1枚。

recommend→②③⑦⑨

 

Rating:9/10

 

IN FLAMES「I,The Mask」

Release Date : 2019/3/1

Label : Nuclear Blast

 

 

 

 

 

 







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