FREAK KITCHEN “Confusion To The Enemy”(2018)

超絶テクニックを持つギタリスト、マティアス・エクルンド率いるスウェーデンのスリーピースハードロックバンドFREAK KITCHEN、前作「Cooking With Pagans」から四年ぶり9枚目のアルバム。

アルバムを出すごとにマティアスのギターの変態度は上がっていて前作はタイトルトラックをはじめ疾走感とグルーブたっぷりの楽曲で傑作だった。今作も8弦ギターを駆使した低音ザクザクリフがとても心地よい。全体的にダークな雰囲気を漂わせているが根底にはポジティブさが垣間見え聞いていて元気をもらえる。マティアスのボーカルも年々深みを増しコーラスとの息もマッチングしている。陽気なボーカルで早口言葉のようなコミカルなリズムで進むアップテンポナンバーからメシュガーのような変則的なリズムで始まる曲など前作よりバラエティ豊か。よりヘヴィな音になりながらも全体的に重苦しくならずサビなどを綺麗なメロディで歌い上げることで一度聴いたら頭から離れない心地よいサウンドになっている。特殊なギター奏法で複雑なことをしているのにメロディアスに聞きやすく仕上げてくるのはさすがFREAK KITCHEN。難解でやっていることはすごいってっことはわかるけど耳に残らなかったり聞き疲れするバンドはたくさんあるけどFKみたいに聞きやすくどこか安心感を与えてくれるバンドはなかなかいない。前作のようにキラーチューンが一曲欲しかったがFK節たっぷりな唯一無二の世界観が広がっている一枚。

 

Rating:8.5/10

 

Release Date : 2018/12/19

Genre : Experimental Heavy Metal

Country : Sweden

Lebel : MARQUEE / Thunderstruck Productions

 

 

 

GUNSHIP666 “Hellshima”(2017)

日本のヘヴィメタルバンドGUNSHIP666、前作「Kamikaze Fuck You」から3年ぶり2017年リリース2ndフルアルバム。

今作も前作同様プロデューサーにMikey Doling (Snot, Soulfly)を起用。ミックスにはDave Fortman (Slipknot, Evanescence, Mudvayne, Eyehategod, Superjoint Ritual) 、マスタリングにはMaor Appelbaum (Faith No More, Sepultura, Halford, Fight, Armored Saint)というそうそうたるメンバーで制作。タイトルトラックの♯①hellshimaから本編スタート。重苦しいギター音でダークな雰囲気から始まりボーカルANGRYの咆哮からどんどん曲が盛り上がりを見せていく。サビはギターMASAMIのコーラスも入りメロディアスに歌い上げHELLSEXのドラミングも強力で身体に重低音がビシバシ伝わってくる。疾走感あふれるギターから始まる♯②はMASAMIとANGRYのボーカルの掛け合いがとても気持ちいい。メロディアスな曲なのにヘヴィさも失わずパワフルなキラーチューン。グッとくるギターソロも最高。正直1stから聞いてきてこんなメロディアスな曲も作れるということに驚いた。バンドの今までのイメージはグルーヴ感あふれるスラッシュメタルという感じだったがこの曲でこのバンドの引き出しの多さを感じた。デス、スラッシュ好きだけではなくメロディアスなメタルが好きな人にもアプローチできる曲ではないだろうか。スラッシュ、デス曲一辺倒にならず近年のロブハルフォードを彷彿させるハイトーンでサビを歌い上げる#⑤など前半からバラエティに富んでいて流れるようにアルバムが進んでいく。ヘヴィな強烈なバスドラムから野太いボーカルが響き渡る今作最速のスピードチューン♯⑦、ミドルテンポな骨太サウンドが光る♯⑩など前作に比べて音楽性の幅に広がりを見せている。ボーカルANGRYの野獣のような咆哮、MASAMIのテクニカルなギター、HELLSEXの戦車のような強靭なドラミングが合わさり3ピースバンドとは思えない超重量級サウンドに圧倒される。サウンドは本場アメリカンなのに歌詞には日本のテイストを上手く組み合わされているところにGUNSHIP666の掲げるKAMIKAZEメタルを感じることができる一枚になっている。全10曲40分ながら極上のヘヴィサウンドが堪能できお腹いっぱいのアルバムに仕上がっている。

Rating:10/10

 

 

Release Date : 2017/12/20

Genre : Thrash Metal

Country : Japan

Lebel : GOUT RECORDS

HATESPHERE “Reduced to Flesh”(2018)

デンマーク出身デスラッシュバンドHATESPHERE、3年ぶり10枚目のアルバム。1992年から活動はじめてるんだね。もっと最近のバンドかと思っていました。

このバンドで聞いたことある過去作は「The Sickness Within」と「To The Nines」だけ。切れ味鋭いギターリフと吐き出すボーカルにドハマりした記憶があります。というかこんなにコンスタントに活動してたバンドなんて知らなかった。調べてみるとかなりメンバーチェンジしてるのね。オリジナルメンバーはもういない。勝手にあまり活動していない過去のバンドなのかと思い込んでいました(失礼)たまたま海外メタルサイト見てたら新譜を発売するっていう情報が流れていたから聞いてみることに。

こんなに音悪いバンドだっけ。あまり音がクリアじゃなくちょっとこもっている感じがする。シンプルなリフながら多彩なリズムワークをザクザク刻んでいくのがこのバンドの持ち味。ダークなオープニングからHATESPHERE節炸裂な切れ味鋭いギターリフで疾走感あふれる#②を聞いて最初はHATESPHEREってこんな感じだったなって思いだしたけど後半の曲の展開が微妙。ギターソロがアップテンポなサウンドで曲の流れを悪くしている。あえて変わったサウンドで曲を展開しているんだろうけど逆にまとまりがなく印象に残らないし聞いていて気持ちよくない。 ミドルテンポのハードコア調の曲もあるがアルバム全体で疾走している曲が多い。#⑥は多彩なリズムで曲がどんどん展開していき北欧メロデス風の泣きのツインリードでドラマチックに仕上がっていて今作で一番気に入った曲。 過去に聞いた2作はどの曲も多彩な曲展開でミドルテンポの曲とスピードソングをうまく織り交ぜてメリハリがついていて1枚飽きずに聞けるアルバムだったけど今作はどこか似通った疾走曲が多く曲展開も変に難解にしようとしていてあまり好きになれなかった。。 リピートはしないかな。。時間がある時に新譜から過去に遡って聞いていきたいと思います。

 

Rating:5.5/10

 

Release Date : 2018/11/21

Genre : Death/Thrash/Groove Metal

Country : Denmark

Lebel : MARQUEE

 

THE NEW BLACK “A Monster’s Life”(2016年)

ドイツのハードロックバンドThe New Black、4枚目のフルアルバム。

このバンドに出会ったのは川崎のタワーレコードで大きく展開されていてジャケットもゴジラで気になって聞いてみたのが始まり。聞いてみると結構良くて即購入でした。

結成は2007年。2008年から本格的に活動しているみたいで意外とキャリアは長い。本国ではAC/DCの前座をやったりVOLBEATのヨーロッパツアーに参加したりと意外に注目されているバンド。

ジャケットはゴジラで最高にインパクトがあってイカしているんだけど(著作権とか大丈夫なのかな?)サウンドも負けてないです!

基本ミドルテンポを主体としながら重低音響かせた楽器隊に野太いボーカルが乗るグルーヴメタルでサウンドはモダン。サビ部分はどの曲もキャッチーで入ってきやすい。ドイツでこういうグルーヴバンドってあまりいない印象でBLIND GUARDIANとかHELLOWEENとか臭いメロディをのせてくるスピードメタルなイメージが先行してしまう。どっちかっていうとサウンドはアメリカ寄りのバンド。

サザンロック風のザクザクギターリフとドラムがとても気持ちよくサビが印象的で一度聴いたら耳に残る心地よい①。力強いコーラスとグルーヴサウンドがマッチする②。歌を聞かせるバラードの④。スピーディーでシンプルなギターメロディながら壮大的なサウンドの⑤。①、⑤はこのバンドの良さがとてもあふれている楽曲。全10曲と少なめだけど一つ一つ曲のクオリティが高く満足!全体的にメインストリームをターゲットとしたライブハウスというよりアリーナとか大きい会場が似合いそうなスケールの大きい曲ばかり。SHINEDOWNとかALTER BRIDGEとかから影響を受けているのかな。CREEDとかNICKELBACK好きな人も気に入るかも。確かにVOLBEATもサウンドはヘヴィだけど歌メロを重視したバンドだから一緒にツアーを回るのも納得。

音はハードなのにメロディラインと歌でグルーヴィなサウンドを聞かせてくれる良質なバンドです。日本では人気のでないジャンルだけど来日とかしたら見に行きたいな。しないだろうけど。。。

Rating:7/10

 

Release Date : 2016/2/26

Genre : Southern/Groove Metal

Country : Germany

Lebel : AFM (USA)