IN FOR THE KILL “In For The Kill”(2017)

以前からデビューアルバムが評判が良くいろんなところで噂を聞いていたIN FOR THE KILLを先日たまたまライブを見る機会があり楽曲の良さ、ノリ、演奏力、グルーヴ感がめちゃくちゃかっこよくてすぐにアルバムを購入。調べてみると元Metal Safariのメンバーがやってるバンドと知ってそりゃ好きなサウンドのはずだと納得。

静かな立ち上がりからどんどんスピードが加速するスラッシュナンバーから幕開け。切れ味鋭いギターリフ、疾走ツーバス、ボーカルInaの咆哮、安定したベースの重低音全てが聴いていて気持ちがいい。ハードコアサウンドを主体としながらもスラッシュメタルのようなギターリフで疾走していく。ただ爆走するだけではなく②「Serpent From Hell」のように随所にタメを作り曲の中でも疾走パート、シンガロングパートなどしっかり区別することで疾走一辺倒にならずリスナーを飽きさせない。

ミドルテンポなグルーヴィーな立ち上がりからボーカルを皮切りにだんだんとテンポが早くなっていく③「Berserk Song」はスラッシーなリフから駆け抜けてサビではシンガロング必至のシンプルなワード
で思わず腕を突き上げたくなる!長すぎず短すぎない楽曲のスピード感を落とさないギターソロもグッド。随所にNu Metalからの影響が感じられる。

特に④「Buried Alive」はP.O.Dなど2000年代初頭を思い出すNu Metal風のメロディでボーカルをサビもどこか懐かしくい印象を与えられる。Inaのボーカルはミドルナンバーだからと声色、スタ
イルを変えることなくシャウトで貫く。それが意外にも合っていい味を出している。激しいデスラッシュナンバーが続いてきてここでパワーバラードが入ることでアルバム全体にも良いフックをもたらしている。

ChimairaやFear Factory辺りを思い出す切れ味鋭いギターサウンドからモダンな展開で曲の多彩さが発揮されている古くもあり新しくもあるINFKサウンドを存分に楽しめるのが⑤「I Am a Stranger」
ハードコア、スラッシュメタル、Nu Metalから現代のモダンメタルまで上手く組み合わせだのがINFKサウンドだと感じる。

のっけからシンガロング必至のワードとグルーヴ感たっぷりでPanteraを思い起こすフレーズなどもあり思わずガッツポーズな⑥「Asphalt Mountain」

ゴリゴリベースからメロディアスなギターラインで曲が進行。随所に入る小刻みなギターリフがいいフックになりシンプルな王道デスラッシュナンバーの⑦などその後も勢い衰えることなくラストまで疾走し続ける!
全11曲38分休む暇のないあっという間の1枚。
懐かしさと新しさが融合しているどの年齢の人が聞いても楽しめるアルバムに仕上がっている。一曲一曲コンパクトに収められていてだれることも無く一気に聴けてしまう。個人的に最近のメタルコア系のバンドって難解なフレーズ入れたり、ちょっと不協和音鳴らして
みたり変拍子にしてみたりして個性を出そうとするけど逆にまとまらなくて印象に残らない曲に
なってるけどIFTKはそんな小細工はしないでシンプルにわかりやすく王道なサウンドで勝負してるのが好感持てるしモダンな新しさも上手く取り入れていて古臭さもない絶妙なバランスなサウンドだと感じた。ライブでは新曲も披露していたので早くセカンドアルバムを出して欲しい。

Rating:9/10

 

IN FOR THE KILL「In For The Kill」

Release Date : 2017/10/25

Genre : Metalcore

Country : Japan

Lebel : Reaper Entertainment/SPIRITUAL BEAST(国内)

 

GUNSHIP666 “Hellshima”(2017)

日本のヘヴィメタルバンドGUNSHIP666、前作「Kamikaze Fuck You」から3年ぶり2017年リリース2ndフルアルバム。

今作も前作同様プロデューサーにMikey Doling (Snot, Soulfly)を起用。ミックスにはDave Fortman (Slipknot, Evanescence, Mudvayne, Eyehategod, Superjoint Ritual) 、マスタリングにはMaor Appelbaum (Faith No More, Sepultura, Halford, Fight, Armored Saint)というそうそうたるメンバーで制作。タイトルトラックの♯①hellshimaから本編スタート。重苦しいギター音でダークな雰囲気から始まりボーカルANGRYの咆哮からどんどん曲が盛り上がりを見せていく。サビはギターMASAMIのコーラスも入りメロディアスに歌い上げHELLSEXのドラミングも強力で身体に重低音がビシバシ伝わってくる。疾走感あふれるギターから始まる♯②はMASAMIとANGRYのボーカルの掛け合いがとても気持ちいい。メロディアスな曲なのにヘヴィさも失わずパワフルなキラーチューン。グッとくるギターソロも最高。正直1stから聞いてきてこんなメロディアスな曲も作れるということに驚いた。バンドの今までのイメージはグルーヴ感あふれるスラッシュメタルという感じだったがこの曲でこのバンドの引き出しの多さを感じた。デス、スラッシュ好きだけではなくメロディアスなメタルが好きな人にもアプローチできる曲ではないだろうか。スラッシュ、デス曲一辺倒にならず近年のロブハルフォードを彷彿させるハイトーンでサビを歌い上げる#⑤など前半からバラエティに富んでいて流れるようにアルバムが進んでいく。ヘヴィな強烈なバスドラムから野太いボーカルが響き渡る今作最速のスピードチューン♯⑦、ミドルテンポな骨太サウンドが光る♯⑩など前作に比べて音楽性の幅に広がりを見せている。ボーカルANGRYの野獣のような咆哮、MASAMIのテクニカルなギター、HELLSEXの戦車のような強靭なドラミングが合わさり3ピースバンドとは思えない超重量級サウンドに圧倒される。サウンドは本場アメリカンなのに歌詞には日本のテイストを上手く組み合わされているところにGUNSHIP666の掲げるKAMIKAZEメタルを感じることができる一枚になっている。全10曲40分ながら極上のヘヴィサウンドが堪能できお腹いっぱいのアルバムに仕上がっている。

Rating:10/10

 

 

Release Date : 2017/12/20

Genre : Thrash Metal

Country : Japan

Lebel : GOUT RECORDS

HATESPHERE “Reduced to Flesh”(2018)

デンマーク出身デスラッシュバンドHATESPHERE、3年ぶり10枚目のアルバム。1992年から活動はじめてるんだね。もっと最近のバンドかと思っていました。

このバンドで聞いたことある過去作は「The Sickness Within」と「To The Nines」だけ。切れ味鋭いギターリフと吐き出すボーカルにドハマりした記憶があります。というかこんなにコンスタントに活動してたバンドなんて知らなかった。調べてみるとかなりメンバーチェンジしてるのね。オリジナルメンバーはもういない。勝手にあまり活動していない過去のバンドなのかと思い込んでいました(失礼)たまたま海外メタルサイト見てたら新譜を発売するっていう情報が流れていたから聞いてみることに。

こんなに音悪いバンドだっけ。あまり音がクリアじゃなくちょっとこもっている感じがする。シンプルなリフながら多彩なリズムワークをザクザク刻んでいくのがこのバンドの持ち味。ダークなオープニングからHATESPHERE節炸裂な切れ味鋭いギターリフで疾走感あふれる#②を聞いて最初はHATESPHEREってこんな感じだったなって思いだしたけど後半の曲の展開が微妙。ギターソロがアップテンポなサウンドで曲の流れを悪くしている。あえて変わったサウンドで曲を展開しているんだろうけど逆にまとまりがなく印象に残らないし聞いていて気持ちよくない。 ミドルテンポのハードコア調の曲もあるがアルバム全体で疾走している曲が多い。#⑥は多彩なリズムで曲がどんどん展開していき北欧メロデス風の泣きのツインリードでドラマチックに仕上がっていて今作で一番気に入った曲。 過去に聞いた2作はどの曲も多彩な曲展開でミドルテンポの曲とスピードソングをうまく織り交ぜてメリハリがついていて1枚飽きずに聞けるアルバムだったけど今作はどこか似通った疾走曲が多く曲展開も変に難解にしようとしていてあまり好きになれなかった。。 リピートはしないかな。。時間がある時に新譜から過去に遡って聞いていきたいと思います。

 

Rating:5.5/10

 

Release Date : 2018/11/21

Genre : Death/Thrash/Groove Metal

Country : Denmark

Lebel : MARQUEE